社会貢献 TeamF (歯科衛生士チーム)

第5回 ヘルパーさんを対象とした口腔ケア指導 第3弾 2014.6.20~21

t.o.h.理事 歯科衛生士 深川 優子

 去る6月20日(金)・21日(土)、柏市千代田ふるさとセンターに口腔ケアのボランティアに行って来ました。2012年度にも3回訪れた事のある「生活クラブ風の村介護ステーション」(木村厚子所長)からの依頼で、対象は、介護ヘルパーさんです(2日間で約40名が参加)。
 今回は、老年歯科に造詣が深い小原 由紀氏を筆頭に、山本 典子氏、当会理事である福島 陽子氏の4人の歯科衛生士が参加しました。具体的な内容は、前回とほぼ同様でしたが、まず小原氏による「要介護高齢者における口腔ケアの実際」と称した講和がありました。以下、説明された項目です。
●口腔ケアを始める前にまず観察をじっくり行う
●全身状態の評価(対象者とコミュニケーションを取れるか)、ADL・生活機能の評価、全身疾患と服用している薬剤の確認
●口腔内の評価(加齢に伴う口腔内の変化・状態、口腔内に付着する物の説明)
●口腔ケアの実際(口腔ケアの手技として、ブラッシング・粘膜清掃・うがい)
●口腔ケアの道具の説明(歯ブラシ・粘膜ブラシ・スポンジブラシ)
●義歯の清掃方法
●その他(口腔ケアの注意点)
 次いで、ヘルパーさん1人を相手に口腔ケアのデモを行い、後、相互実習を行いました。実習の最中から活発な質問を受けましたが、最後には各自の質問・悩みを共有する為にアドバイスの内容を披露しました。今回のボランティア活動の目的は、適切な口腔ケアの実際を、日頃より要介護高齢者に行っているヘルパーさんに体験してもらう事でした。皆さんの感想として、つい力を入れ過ぎて硬めの歯ブラシで磨いていた、粘膜や舌清掃の必要性を知った、義歯洗浄の必要性と取り外し方法の質問など様々な声を聞きました。
 私達は、専門職による指導の必要性を再認識しました。例え明日から全く同じ口腔ケアが出来なくでも、知識があれば、ご家族から質問された際に答える事が出来るからです。また、法律的に痰吸引を行えるかなど、介護専門職と医科・歯科の認識のズレも感じましたが、皆さんの熱心な態度に高い満足度を得ました。今後、要請があれば、地方にも出向いて行きたいと考えています。 


第4回 ヘルパーさんを対象とした口腔ケア指導 第2弾 2012.11.9

t.o.h.理事 歯科衛生士 福島陽子

 社会福祉法人 生活クラブ風の村介護ステーション我孫子(所長:千葉洋子氏)勤務のヘルパーさんの方々を対象に口腔ケア指導を実施致しました。前回に引き続き、当会員である倉持恵美子さんのご紹介により今回は、11月9日JR我孫子駅近くアビスタ公民会館の調理室をお借りして31名のヘルパーさんへの口腔ケアの手法、対応方法、リスクなど相互実習を取り入れながらボランティア活動を行ってまいりました。
 前回のボランティア活動(6月に2回)同様、レクチャー30分、デモ、相互実習、質疑応答と約90分実施。参加者の方へは朝からの歯ブラシをしないように伝えていただき、食物残鎖(ビスケットオレオを食べて)の取り残し体験をして口腔ケア相互実習をしていただきました。
 ヘルパーさん31名(うち1名は男性)と多くの参加者でしたので3つのグループ分けをし、相互実習では歯科衛生士各1名が担当し指導。調理実習室ということで水場もあり、先方の受け入れ態勢もしっかりしていたためスムーズに進行することができました。
 現場では、実際にヘルパーさんがどのように口腔内に接触していいかわからないと考える方が多く、いきなり口に接触するのではなく、唾液腺(耳下腺、顎下腺)周辺のマッサージを兼ねながら少しずつ要介護者の口腔ケアをすることや粘膜ブラシでの動かし方、舌清掃、粘膜清掃など相互実習で体験していただき口腔ケアを行う時は同時に口腔リハビリを行うことの実践を指導。
 口腔粘膜の清掃を相互でしていただいた中で「とても気持ちが良い」「磨くのは歯だけと思っていたが舌や粘膜もきれいにするのね」なんていう感想も聞くことができ、まずはお口をきれいにさっぱりと気持ちよくなっていただけることが一歩なのかなと。
 口腔ケア用具についていろいろと説明をしましたが今回の方々は口腔保湿剤(ジェル、スプレー、洗口タイプ)については全くご存知なかったのでその説明には特に興味を示されました。持参した義歯(全顎義歯、部分床義歯など)も皆さんに見ていただき清掃方法を具体的に説明することによってより現実的な指導ができました。
 対象者であるヘルパーさんはここでも50代以降の方が大半を占めていましたが前向きな姿勢と関心度の高さ、積極性には本当に感心させられました。機会があればヘルパーさん方の不安や疑問に対し、今後も専門分野の立場から情報発信し、共有することでスキルアップも向上できると考えます。

模型を使ってヘルパーさんらに説明している風景

熱心に実習を行う参加者たち

日本歯科衛生学会で「Team F」の活動報告

t.o.h会員 キャビネ・ダンテール御茶ノ水 山本典子

 まだまだ残暑が厳しい9月16、17日に岩手県盛岡市にて「第7回日本歯科衛生士学会」が行われました。今回は東日本大震災で被害にあわれた方々へ行った「Team F」のボランティア活動をポスター発表という形で行ってきました。
 当日は、始発の新幹線で出発し、眠い目をこすりながら会場に到着したのですが、すでに沢山の歯科衛生士が集まっていました。私の発表は2日目だったので、他の会員の発表を聞いていたところ、なんと、私が卒業した歯科衛生士専門学校の担任の先生がいらっしゃいました。卒業後お会いしていなかったので、なんと18年ぶりの再会でした。私の事を覚えてくださっていたことにも驚きましたが、先生がいまだ教鞭をとりご活躍していると知り、同じ歯科衛生士として学会に参加できる事をとても嬉しく思いました。
 夕飯は、「Team F」の仲間と盛岡名物の「冷麺」や「岩牡蠣」を食べ、楽しく過ごしましたが、発表当日の朝、昨日以上に沢山の歯科衛生士が集うのを見て、どんどん緊張しました。本番の発表ではうまく声がでなかったように思います(練習していてもやはり緊張はするものですね)。発表の最後に「歯と口の健康を守ろう会」のパンフレットを持参したので、ボランティアに興味のある方はお持ち帰り下さいとアピールしたところ、多くの方が関心を示してくださいました。
 今回は、ボランティアや口腔ケアに関する発表が多く、やはり関心の高い分野であり、また、この岩手県も大きな被害を受けた地域なのだと改めて感じました。
 昨年の活動では、被災された方々へのボランティア活動でしたが、本年からは、介護の現場で活躍する方々へ「口腔ケア」の指導も行っています。私たちのできることはほんの小さな事かも知れませんが、継続して社会に貢献していければ幸いです。

福島理事(左端)、深川理事(左2番目)
恩師(右端)と一緒に
発表中の私

第3回 ヘルパーさんを対象とした口腔ケア指導 2012.6.15~16

t.o.h.理事 歯科衛生士 福島陽子

 TeamF(歯科衛生士ボランティア活動)として今回は、社会福祉法人生活クラブ風の村介護ステーション柏(所長:寺本博子氏)勤務のヘルパーさんの方々を対象に口腔ケア指導を実施致しました。対象者のヘルパーさんの中には過去に受講した方もいましたが専門職による指導を切望され、口腔ケアの手法、対応方法、リスクなどを知りたいと6月15日、16日の2日間、各10~15名を対象に相互実習を取り入れながらボランティア活動を行ってまいりました。
 ボランティアに参加する歯科衛生士の中でも未経験者の者もおり、要介護者の口腔ケアに携わっている歯科衛生士を中心に事前打ち合わせ、勉強会を重ね準備をしました。
そういう私も日常は職域での臨床をしているのでこのような機会は今までになかったため不安もありました。事前に90分という時間を予定していましたが、いざはじまってみると時間が短縮されその場で修正しながらバタバタと進行(現場に行ってみないとわからないことはあるものです)。
 はじめに口腔ケアする介護者の全身状態の把握、ADL・生活機能の評価、全身疾患と服用している薬剤などまずは観察することの重要性をわかりやすい言葉で説明し、食物残鎖(ビスケットオレオ食べて)の取り残し体験をして口腔ケア相互実習をしていただきました。
参加された方々は皆さん関心度が高く、相互実習がはじまるといろいろな質問も熱心にされとても好評を得ました。
 私達は口の中を触るということは当たり前のことなのですが、実際にヘルパーさんがどのように接触していいかわからないと要介護者も不安になり口の中を清潔に保つことができずに悲惨な状況に陥ってしまいます(要介護者の家族の方も同様)。
訪問歯科診療で歯科医師、歯科衛生士が実際口腔ケアも実施しますが、現実にはヘルパーさん方に正しい知識や方法を身につけていただくことで沢山の手が要介護者をサポートできるのではと、まずはお口をきれいにさっぱりと気持ちよくなっていただけることが一歩なのかなと感じました。
 しかし、介護ヘルパーの方々は、私が想像していた対象者よりも年配の方が多かった(40~50代以上)のも高齢化社会の現実を感じざるをえませんでした。多くの不安を抱えているヘルパーさん方にこのような指導を続けていくことも歯科衛生士のボランティア活動につながっていく次へのステップとなることでしょう。
 高齢化社会と叫ばれ、すでにその領域も身近に感じていましたが、今回の機会を得て実際に訪問介護されているヘルパーさんに指導できたことは、まだまだやれることがあるのだと感じた1日になりました。それとともに今回参加された若き歯科衛生士の頼もしさに助けられたボランティア活動となり、まだ勉強しなければならないことがあると学んだ1日となりました。

ケアの実際を行う前の説明

指導の実際

舌ケアの実際

第2回 TeamF「歯みがきボランティア」

t.o.h.理事長 安田 登

 心配された雨も降らず曇り空のもと、朝早く第2回TeamF「歯みがきボランティア」に出かけた。今回は福島県双葉町の皆さんが避難している加須市の騎西高校である。
 今回参加してくれた歯科衛生士は7名、歯科医師は私を含めて2名である。鴻巣駅に9時集合ということだったが、途中の大宮駅と宮原駅の間の踏切で人身事故があり、約40分遅れて駅に到着。そこで待ち合わせていたスタッフと合流して急いでタクシーに乗り目的地に向かった。
 双葉町埼玉支所との事前連絡がよかったせいか到着後はスムーズに会場に行くことができ、早速に準備に取り掛かったが40分も遅れたため既にお待ちになっていた方もいた。事前の申し込みが0ということを聞いていたので、場合によっては全く時間を持て余すことも覚悟してきたが、最終的には26名の方が参加して下さった。
 震災から既に8か月も経過しているので避難された方々は、多くは勤めに行かれていたり、学校に行ったりしていて参加された方のほとんどが高齢者の方であった。そのため、今回は歯みがきボランティアもさることながら義歯の相談が多かったので、前回より歯科医師の活躍する場が多かった。
 幸いほとんどの方々に感謝の言葉を頂いたが、前回と同様皆さんの明るさに触れ勇気づけられたのは私たちの方であった。機会があったらまたこの活動を行いたいというのが私たち全ての参加者の感想である。
 TeamFでの電動歯ブラシの使用は、もともと避難所では電気、水道もないであろうとの想定であった。手軽に口腔内をクリーニングできるということは、避難所のみならず介護の現場でも有力な武器になるのではと考えられた。
 最後に、前回と同じように今回も賛助会員であるP&GとGSKには器具の貸し出し、材料、寄贈品の提供などでご協力を頂いた。この場を借りて深く感謝する次第である。

福島県双葉町の避難所となっている騎西高校

合わなくなったり、壊れたりしている義歯

第2回歯みがきボランティアに参加したTeamFのメンバー


第1回 TeamF「歯みがきボランティア」

t.o.h.理事長 安田 登

 8月21日、猛暑が一段落して小雨がしとしと降る日曜日の朝7時50分、東京駅東北新幹線改札口に歯科衛生士5名と歯科医師である私を含めた6名が集合した。これから郡山の避難所に向かうTeam Fの面々である。
 Team Fは当会の深川優子理事が立案した「歯みがきボランティア」チームの名称である。Fの由来は聞いてはいないが恐らく深川理事のイニシアルから取ったのに違いない。
 「歯みがきボランティア」とは、東北大震災で被災された方、また福島第一原子力発電所の放射性物質漏れで避難せざるを得なかった方々のお口の中を、電動歯ブラシを使って磨いて差し上げようという計画である。深川理事がt.o.h.の一会員として、また歯科衛生士の一人として何か役に立つことはないかと考えたものである。
 上野から歯科衛生士が1名、さらに宇都宮で歯科医師が1名加わって総勢8名で郡山に向かった。途中の車内では、果たして避難所の方々が私たちの歯磨きのサービスを受けてくれるかどうかが不安であった。恐らくいろいろなボランティアを受けているので、表現が適切かどうかわからないがボランティア慣れして関心が少ないのではないかなどいろいろな思いが頭をよぎった。
 9時半過ぎ、新幹線は時間どおりに郡山駅に滑り込んだ。雨の中、2台のタクシーに分乗して避難所である「ビッグパレットふくしま」に向かった。
 会場に着くと、最初に行わなければならないのはボランティアの登録である。確かにボランティアといってもどこの馬の骨とも分からないし、偽医者の問題もあったばかりなので身元を明らかにしなければいけなかった。
 避難所は福島県富岡町からの方々で、当初は2,500名程度暮らしていたらしいが、仮設住宅や親戚の家などに移る人が増え、 8月21日時点ではわずか135名とのことであった。もちろん歯磨きサービスを受けて下さる方が多ければ多いに越したことはないが、たとえ一人でもやるつもりであったし、人数ではなくてやることに意義があると考えていた。
 ところが私たちの心配をよそに、設営が終わるや否や避難者の方々が次々と訪れて来てくれ、歯磨きを行う歯科衛生士は休む間もないほどの忙しさであった。相談に見えた方も含めると総数50数名であったが、事前の通知をほとんど行わなかった割にはよく集まって下さったと感謝の気持ちで一杯である。
 口の中の汚れは予想どおりで避難所での衛生管理の難しさを実感することとなった。いろいろと難しい条件があったが、可能ならばもっと早い時期から、それも一度でなく何度でも行くことができたら良かったと、考えさせられた次第である。
 受けられた避難者の方々は、皆明るく、私たちに何度も何度もお礼を言って下さり、感謝をして下さったのが印象的であった。自宅を離れざるを得ず、しかも不自由な生活を送らざるを得ない状況の中でのやさしさである。やはり日本はすごい、必ず復興すると強く思った次第である。
 帰りの新幹線の車中では、心地よい疲れとビールでいつしか眠りについてしまったことは言うまでもない。2015年6月23日に 東京都杉並区の立教女学院短期大学附属幼稚園 天使園にて、「むしばきん ばいばいだいさくせん」と題したむし歯予防セミナーを開催致しました。年中の園児とその保護者40名を対象に、むし歯のメカニズムやその予防方法について、位相差顕微鏡による細菌の観察をまじえながらやさしく解説し、歯垢染め出し液を使って、園児の自分みがきと保護者の仕上げみがきの実習を行いました。園児も保護者も真剣に耳を傾け、熱心に実習を行う姿が印象的でした。

避難所(ビッグパレットふくしま)の入り口

Team Fのメンバー

避難所内での「歯みがきボランティア」の光景

「TeamF」は
東日本大震災の際に発足した
「歯磨きボランティア」の
歯科衛生士チームです
避難所で満足に
歯磨きが出来ない方々の
お手伝いしたいと集まったメンバー。
現在はシルバー施設などに訪問して
ヘルパーさんの歯磨き指導などの
活動をしています。